[DXD] DRIFT & DIY - DIYレポート(painting3)

スプレーガンを使った塗装にチャレンジしよう! step.3

基本の知識とテクニック

塗料の種類について

まず使う塗料は2液型(2k)ウレタン塗料と言います、缶スプレーなどの1液型(1k)のラッカースプレーとは性質が異なります。 簡単に説明しますが、2k塗料は反応型で溶剤(シンナー)が抜ける事によって固形化し硬化剤によって組織が化学反応を起こして硬い塗膜になります。 ただし硬化剤のみで硬化するというわけでもなく、熱によって硬化が促進されます。よって焼付けが前提となっていますが、さすがに無理なので自然に任せるしかありません。 自然乾燥では気候に左右されて乾燥時間に大きなバラつきが出ます。 ちなみに新車の塗装は焼付型と言って熱を加えないと硬化せず150度程度の温度で熱して塗膜が硬化するというまた違った塗装となっています。

またラッカー系塗料は溶剤蒸発型で溶剤が抜けるのみで組織が変化せず柔らかい塗膜となります。 手軽に塗装できますが、磨いてツヤを出す必要があります。 ラッカー系塗料は塗膜になった後も組織が変化しないので溶剤に触れると溶け出してしまいます、つまり基本ラッカー塗料の上にはウレタン塗料を直接塗れないという事になります。 ラッカー塗料で塗ってしまうと次にウレタン塗料で再塗装しようとするとすべて塗膜を剥ぐ事になります、小物なら良いですが大物だと業者に持ち込んでも断られる場合すらあります。 そういう意味でよほど小さいものや塗りなおしをしないもの以外はなるべくウレタン塗料で塗装するようにしています、たしかにラッカー塗料は手間がかからない面で使い勝手が良いんですけどね。

前置きが長くなりましたが頭の隅にでも入れておいてください、さて実際に使う塗料としては2kシステム塗料(Autoスイフト2k等)をおすすめします。 吹きつけがしやすい塗料で(吹きムラ・戻りムラが起きにくい)、もちろんちゃんとしたプロも使用する塗料です。 PG80などの昔ながらの塗料はスプレーテクニックが必要で自分たち素人には少し扱いにくい塗料かも知れません。

そしてクリヤー塗料ですが、硬化剤との配合比率によって様々なタイプがあります2:1、4:1、10:1など。 比率が高いほど高級で塗膜も硬く仕上がりも良くなります。 また塗料システムによって、使うクリヤーも専用のものがあったりと色々と違ってきます。

次にプラサフですが、これはプライマーサーフェーサーと言って中塗り塗装に使います、単にサフと呼ぶ事が多いです。 役割としては塗膜に厚みを持たせ上塗り塗装の平滑性を持たせたり、密着性を向上する効果があります。 また露出したボディーの鉄板に対しても防錆能力があります。 旧塗幕の状態が良好であればサフの塗装を行なわない場合もありますが基本的には塗る事になります。

またサフにもラッカー(1k)ウレタン(2k)があります。 違いとしては1kは厚付け性が劣ったり塗膜が痩せやすいなどの反面、安価であったり硬化剤を使わない事から作業性が良いメリットもあります。 もちろんラッカーと言ってもウレタン塗料を上塗りできるように素材配合されています。 対して2kのサフは1回の吹きつけでも十分な塗膜が取れ肉持ちが良く、こだわりの板金塗装屋さんなどでは好んで使われています。 ただし1kよりは高価ですし、硬化剤を入れるためすぐに反応が始まるので可使時間内に使い切らないといけなく、作って余った塗料も保存が効きません。

スプレーガンの構造と調整

まずトリガーを引くと塗料が出るというのは誰でも解りますよね。 でももうちょっと細かく言うと、トリガーを引くとニードルが引っ込んでエアーだけが出ます、更に引くと塗料が少しずつ出てきます、そして引けば引くほど塗料がたくさん吹き出してきます。 まずここが缶スプレーとは違った点になっています、塗料の吐出量がトリガーの引き具合によって変化するという事です。

またエアーが出てくる所と塗料が出てくる所は異なっています。 スプレーガンの先端には空気キャップが付いていて無数の穴が開いています、この穴からエアーが出る事によってノズルから出た塗料が微粒化して飛んでいくわけです。 つまり圧力で飛ぶのではなくノズル先端が真空状態になって吸い出されているという事です。 ちなみに空気キャップの向きについてですが縦向きにすると横方向の楕円、横向きにすると縦方向の楕円パターンになります。 通常は縦方向の楕円パターンになるように使います。

次に調整方法について説明しますが、スプレーガンには3つの調整ねじがあります。 スプレーガン背面に2つあって、上側がパターン調整ねじで締めこむと円形に近くなり緩めていくと楕円になっていきます。 下側が塗料調整ねじで塗料の吐出量を決めます。 構造的には締めこむとトリガーが引けなくなって塗料が出なくなり、緩めていくとトリガーが引けるようになり塗料が出ます。 トリガーを引きすぎて必要以上に吹いてしまわない為のストッパー調整のような物だと考えると分かりやすいかも知れませんね。 またスプレーガンの底にはエア量調整ねじが付いているのですが、これは基本的には全開にしておきます。

そして実際にどう調整するかですが、まずエア圧の調整から始めます。 トランスホーマー(レギュレーター)で0.4Mpaを目安にエア圧を絞り、ガン手元で微調整します。(それぞれのガンによって設定圧力は違います) ただしトランスホーマーからガンまでのホースが長くなればなるほど圧力の低下があるので、ガンに装着する手元ゲージがあれば正確な圧力が取れます。

次にパターン調整を行ないます。 塗装対象とガンの距離が15〜20cmの時に、パターン幅が12〜13cmになるのが標準です。 あくまで基準的なものなので必要に応じて変化させます。

最後に塗料調整ねじを調整しますが、これは明確な基準がありません。 その場に応じて自分で使いやすいように調整してみてください、一般的には2回転半〜3回転くらいと言われています。

スプレーガンの詳細
スプレーガンの詳細

スプレーガンの扱い方

まずスプレーガンの持ち方からご紹介します。 いくつかの持ち方があるんですが基本的には親指と人差し指で本体を支えるようにして、中指と薬指もしくは中指のみでトリガーを引きます。 よくある例だと人差し指のみでトリガーを引いてしまうんですが、これだとガンの安定性が悪くトリガーも正確に引けません。 中指と薬指でトリガーを引くようにすればトリガーもしっかり引けて、ガンの安定性も良くなり疲労も少ないです。 最初は慣れないかも知れませんが、この持ち方でガンを持つ習慣を付けるようにして下さい。

良い例
良い例
悪い例
悪い例

ガンと対象物の距離ですが、15〜25cmが一応の目安です。ガンや塗料、作業の内容によっても変わってきます。 近すぎると塗膜が厚くなりタレる、遠すぎると塗膜が薄くなりザラザラした肌になってしまいます。 このあたりはあまり数字にこだわらず実際に吹いてみて感覚をつかむ事が一番大切です。

次にガンの動かし方です。 まず塗装面と直角にして、塗装対象と平行にガンを動かすよう心がけてください。 よくスプレー缶でやるテキトー塗りは絶対に止めましょう、手首や肘を振って弧を書くような塗り方はNGです。 そして動かすスピードは数値的には1mを2〜3秒くらいの感覚で移動します。 遅すぎると塗膜が厚くなりタレの原因になったり、早すぎるとこれも塗膜が薄くなりザラザラした肌になります。 これは実際に見たほうが理解しやすいのですが、イメージトレーニングでやってもらうとそんなに早くも遅くもないと思います。

そしてガンを移動させた時に塗装面の上でガンを止めないようにしましょう。 止めるということはそこでムラを作っているようなものです、つまり塗装範囲より広い目にスプレーガンを動かす事になります。 また吹き終わりから吹き始めの時にトリガーから一瞬指を離します。 部分補修や対象物が大きい場合などには手首のスナップを効かせガンを横に払ってぼかすようにします。(吹き始め・終わり共)

最後に塗り重ねていく方法について。 パターンは端になるにつれて膜厚が薄くなるので3分の1程度を目安に塗り重ねて行きます。 あくまでも目安なのでパターンの形や塗料の粘度などの条件によって変化させます。

パターンの重ね方

スプレーガンの洗浄方法

スプレーガンを使用した後は、すぐに洗浄するようにしましょう。 特にウレタン塗料は硬化が早く固まるとなかなか取れないので注意してください、早めの洗浄ほど結果的に楽になります。 また1丁しかガンを持っていない場合、塗料を入れ替える際にもよく洗浄を行なってください。

洗浄方法ですが、まず空気キャップの先端をウエスで押さえてトリガーを引きます。 そうするとガン通路内の塗料がカップに押し戻されます。

次にカップの中の塗料を捨てて洗浄用シンナーを入れてハケなどで洗います。 ウレタンシンナーを使ってもよいですが、勿体無いので洗浄用シンナーを使ったほうが良いです。

そしてトリガーを引いてシンナーを吹いて、また先ほどの要領でシンナーをカップに逆流させます。 これをシンナーに色が付かなくなるまで繰り返します。 最後に本体をハケやブラシなどで洗います。 この時空気キャップの空気穴や塗料ノズルに針金などを使ってキズつけたりしないように注意してください。 ガン洗浄用のガンクリーナーセットも市販されています。

さて、次のページからは実際の作業に入っていきます。